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身の回りの非日常的なものへの驚き、日常的なものへの感じ方なを、自分の感性のままに
by hot_amigo
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名古屋シティマラソン 10kmの部

 快晴の休日。妻の運転する車の助手席から見る陸上競技場につながる道は、人並みが続いていた。みんな少なからず緊張に包まれた顔をしているように見える。

 今日は僕にとって初めて10kmを走る市民マラソンの日。春に5kmを走って、ロードを走るのは2回目。ジムのランニングマシンの上ではすでに数回10kmを走っているとは言え、コンクリートの上、しかも沢山の人の中を走るとなると、やはり未体験の世界の中に入っていく気分だ。自分がある程度計画していた練習メニューがさっぱりこなせなくて、なんとなくぶっつけ本番で今日を迎えてしまったという感じで、自信のある反面、不安感もぬぐえない。

 会場の陸上競技場の前に受け付けブースがあって、人でごった返してる。一緒にエントリーした友人とそこで合流し、ゼッケンを受け取って、もはや気分はランナー。でも、スタートまでまだ2時間以上ある。こんな時は途切れない軽い会話が気分をリラックスさせる。そこかしこで笑顔と緊張感を包み隠すような笑い声があがっている。競技場のトラックでは沢山の人たちがウォームアップのジョギングをしている。場内放送は開会式をするから整列するようにとしきりにアナウンスしている。

 市長や大会関係者の挨拶や注意事項の後準備体操を一斉にやって、しばらくの後ハーフの部のスタート。僕たち10kmの部はサブトラックに集合だ。エントリー順のゼッケン番号ごとに整列し、メイントラックのスタート位置まで移動。受付で配られた今日の大会の記念のランニングシャツをもう来ている人たちも沢山いる。なんとなく普段着のティシャツだよなと思わせる気負いのない服装の人もいる。かと思えば、スポーツメーカーの揃いのランニングシャツ、ランニングパンツそしてランニングシューズに身を固めたいかにも俺は走るんだぞ風の決まった人も随分いる。みんな思い思いだ。僕はといえば、まっ黄色のノースリーブのトレーニングウェアにグレーの短パン。このまっ黄色ってのがかなり目立つ。

 10kmの部の参加者は6,000人を越えている。僕は1,300番台のゼッケンだからスタートもまぁまぁ前のほう。それでもスタート合図の号砲がなってから随分足踏みさせられた。前のほうから少しずつ蛇腹が伸びるように走っていく。ようやく僕の前の人が走り出し、空間が出来て走り出せる。それにしても、前後左右ようやく走れるスペースがあるだけで、ただ流れにそって走っているだけの状態がしばらく続く。こんなペースじゃ目標タイムには程遠い。前に開いたちょっとしたスペースにすばやく飛び込んで追い越す。そしてまた追い越せる空間を探し、そこに飛び込んでいく。こうやって少しずつ人を抜いて前へ前へと順位を上げていく。そんなことをしても僕の前には1,000人以上いるのだからいつまでも人波を掻き分ける状態は続く。

 なかなか一定のペースでは走れない。自分のペースで走ろうとするとやはり前にいるペースの遅い人にさえぎられる。勿論僕自身も後ろからスタートしたペースの早い人に随分追い抜かれている。片道三車線のコンクリート道路はランナーで埋まっている。時折道端の人たちから、ファイト!がんばれ~の声援を受ける。これは気持ちがいい。応援してもらうというのは気持ちが引き締まる。膝の外側がちょっと痛み出して、この程度の痛みだったら我慢すればそのうち気にならなくなるだろうと分かっているけれど、気分は落ち込むものだ。そんな気分も応援してくれている人がいると思うと挫けちゃだめだなと自分を奮い立たせることができる。

 4kmの表示が見えた。自分の目標タイムと比べると2分くらい早く通過している。ちょっと早すぎる。それでも割合気分よく走れてるし、極端にペースを落とす必要は無いだろうと判断。このころから少しは人の流れの中で走れるようになる。随分ばらけて来たようだ。5km地点で紙コップでの給水があってひとつ取ったのは良いけれど、飲めないものですね。走りながら飲もうとして思いっきり顔に水をかぶってしまった。口に入ったのはほんの少し。まぁそれでも乾いた口の中を潤すには十分だった。まずかったのは足にも水を掛けてしまってシューズを濡らしてしまいしばらく気になったこと。まぁだからといって走れない訳でもないし気分転換には良かったのかもしれない。それにしても、4km以降距離表示を見つけることが出来なかった。随分探しながら走ったつもりだけど、見つからない。10kmを60分で走る場合、55分の場合、50分の場合のそれぞれの1kmごとの通過時間をエクセルで計算し印刷してパンツのポケットに忍ばせておいた僕としてはペース配分の目安が無くて、随分困った。

 もうすぐ7km地点。いきなり後ろから僕の名前を呼ぶ声が聞こえる。一緒に参加した女性が合図の手を上げながらスパッと追い抜いていく。ついて行こうとしたけれどスピードをあげることが出来ない。あれよあれよと言う間に彼女の姿は前を行くランナーたちの中に消えていってしまった。まったく変だと思うのだけど、女性のスタート順は男性の後になっている。これじゃ早い女性にはたまらない。延々と遅い男性ランナーを追い抜いてこなければならない。これだけの参加者があると追い抜く作業はとても大変。右に左にスペースを見つけて飛び込まなければならないし、そのスペースが開くまで後ろで待ってていきなりスピードを上げなければ抜けない。これは長距離を走る上でかなりのハンデキャップになるはずだ。やはり男女ともエントリー順にスタートさせるべきじゃないのだろうか。ちなみに彼女は僕より4分ほど早いタイムで完走している。

 7km地点、街の人の応援が聞こえる。このころの僕の状態は相当へばっていた。足が重くなっていて、前に進まない。自分の体重がまともに足にのし掛かっている。あごが上がっている状態でフォームが崩れてる。いちど自分の今の姿を客観的にとらえてみる。ランニングの本を読み、ジムのマシンの上でチェックしたランニングフォームを思い出してみる。これでようやく修正が出来た。背筋を伸ばし、上体を起こして骨盤から足を出す。足がスッと出るようになる。もう一度、走れるという自信がよみがえって来る。笑顔を作れた。あと3km頑張れる。やはり応援してくれる人がいると言うのは、とてもいいものだ。

 ゴール前数百メートルの坂を何とか駆け上がり、ようやくゴール。体力的には相当頑張ったという実感がする。多分今の僕の力ではこれが最高だろう。ネットで51分40秒。目標にしていた55分は余裕でクリア。うまく行ったらと思っていた40分台にはちょっと届かなかったけれど、十分満足できるタイムだ。40分台という今シーズンの目標が出来た。最終的には40分を切りたいとは思うけれど、そのためにはトレーニングの方法、量ともに考え直さないといけない。3年くらいかかるか。

 さて、このシティマラソンが終わって、一番嬉しかったのは、ビールを飲めるようになったこと。実はこのマラソンに一緒にエントリーした彼女と11月に入ったら断酒しようと約束をしていた。彼女は高校生のころは陸上部で、試合はある意味神聖なもので自分をきちんと律して望むべきだという考えを持っているみたいだ。僕はそこまで真面目に物事に取り組むタイプじゃないけれど、彼女の真剣さに付き合って、お互いに断酒を約束した。350mlの缶ビールと一杯の焼酎という毎日だったけれど、この断酒がきつかった。アル中のような禁断症状なんかは無いのだけれど、なにかいつも緊張状態に自分を置いているみたいで、気が休まらないという感じがずっと続いていた。昨日はビールを浴びるように飲んでしまったな。多分大瓶換算で5本以上は飲んでると思う。美味かった。今日もまだ右足の膝の外側の筋肉痛が残っている。多分筋肉痛。今日のジムでは走るのはやめて、プールでゆったりと泳ぐか。
by hot_amigo | 2005-11-24 20:22 | ランニング
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